5月5日の端午の節句になると、心身の健康祈願と厄払いのために
お風呂に菖蒲を入れて菖蒲湯にしたり、
お酒に菖蒲を漬け込んで香りを移したものを楽しんだりと
様々なところで菖蒲を見かけます。
これらの菖蒲の姿を、実際に見たことがありますか?
菖蒲なんて見たことあるよ。という方も多いと思いますが、
もしかして紫のきれいな花が咲く菖蒲を
頭に思い浮かべていませんか?
菖蒲と花菖蒲の違い
上記の、お風呂やお酒に入れて楽しむ菖蒲は
この写真のように紫色の花が咲く菖蒲と、全く違うものなのです。
↑ちなみにこの写真の花は、花菖蒲と言い、
皆さんの想像する”菖蒲”の姿ではないでしょうか。
それでは、菖蒲とは何ぞや?
菖蒲湯などに使う菖蒲
↑こちらが菖蒲です。
なんともおしとやかな見た目である。
花菖蒲のように鮮やかな花が咲くのではなく、
この触角のような部分に、細かな花が咲きます。
見た目はあまりピンとこないかもしれませんが、
実はこの菖蒲、いろんな効能を持っているのです。
なぜ菖蒲湯にする?菖蒲の効能
端午の節句に菖蒲をお風呂に浮かべて、菖蒲湯にして浸かります。
それにはどんな効果があるのでしょうか。
そもそもなぜ菖蒲?
菖蒲の効能1
菖蒲は鎮静、健胃の効能がある生薬です。
「菖蒲根」という名前で実際に漢方薬で使用されています。
お湯に菖蒲を入れることで、鎮静作用があるため腰痛などに効果があるのです。
菖蒲湯に入るのは端午の節句(5月5日)ごろです。
旧暦の5月5日なので、今の月に直すと、大体6月ごろになります。
6月は、ちょうど稲の植え付けや、茶葉の収穫などの農作業がひと段落する時期です。
このころ農作業で疲れた体をいったんリフレッシュさせるために、
菖蒲が一役買っていたのですね。
菖蒲の効能2
もう一つ、菖蒲にはさわやかな香りがあります。
この香りはアロマセラピーのように、心身共にリラックスさせてくれます。
さらに古来からこの菖蒲の香りは、邪気を払うと信じられており、
菖蒲の束を軒先につるして厄除けにしていました。
本物の菖蒲湯が簡単に楽しめる便利な時代です↓
花菖蒲とあやめの違い
ちょっとまった~
花菖蒲にはさらにややこしいことに、
そっくりな花があります。
その花はあやめといい、これを漢字で書くと「菖蒲」となり、
まさかまさかのショウブと同じ字になるのです。
漢字は同じですが別物、
簡単な見分け方
- アヤメは花弁の根元に、網模様
- 花菖蒲は花弁の根元に黄色い模様
花の色は様々な品種があり、一概に言えませんが、
大まかな見分け方は上記の方法でできます。
↓あやめの花
↓花菖蒲
花弁の根元中心が黄色い。
菖蒲と花菖蒲の違い。まとめ
ネットで菖蒲と検索すると、ほとんど花菖蒲のことしか出てきません。
可憐な花の咲く菖蒲に比べ、菖蒲は効能こそあれど地味な見た目です。
これを機会に、おうちでも菖蒲湯を試してみられてはいかがでしょうか。
最後まで読んでくださり
ありがとうございました。