・新品購入なのに、水漏れする
これらのお悩みはお家で簡単に解決できます。
骨董品の花瓶などを使うと、結構水漏れがするものが多いものです。気に入って購入したものなのに水漏れすると、残念ですよね。
こちらでは茶・華道教室の傍ら、私のたどり着いた花瓶や壷などの水漏れの修理の方法をご紹介しています。
主な方法は上記の二つ
- お米などの自然のでんぷんを使う
- 食器用止水材(水漏れ防止剤)を使う
1の方法にはデメリットが多く、失敗もしやすいので私は2の方法を強くお勧めしています。
読み進めていただくと、私が実際に食器用止水材を使って修理をした写真と解説がありますので、ぜひご参考ください。
なぜ花瓶や陶器は水漏れするのか?
そもそも現在作られている新品の花瓶や陶器などは、簡単に水漏れをすることはありません。
もし水漏れするようでしたらそれは製造過程でできてしまった、見えにくいヒビなどが原因と思われます。その場合は購入店に話せば、たいていは無料で交換してもらえます。
しかし、一部の材質(目の粗い素焼きなど)は焼き物にもかかわらず水を通す性質があります。これは一般的な素焼きの植木鉢を見ればわかりやすいです。あの赤茶色の植木鉢に水をかけると、じゅわっとしみこみ、暗い色に変わります。
植木鉢はこの性質を利用して、植物の根を腐りにくいよう適度に水がしみだして乾くようになっているのです。
それが陶器でもなかには目の粗いものがあったり、釉薬がうまく乗っていなかったりすると、気が付きにくいですが時間が経つと水がしみだしていることがあります。
この場合、欠陥ではなくその焼き物の特性となり、そもそもそういうものなので交換には応じてもらえないことがあります。
①お米などのでんぷんを使う方法
方法はとってもシンプルです。
これは陶器の細かな隙間にお米の成分をしみこませて、水漏れを止める方法です。
お米のでんぷんなどを陶器の目の中にしみこませるため、まずお米を入れて成分をお湯に出してから、陶器を入れましょう。
陶器をゆでる際は中で動いて割れたり傷がつく可能性があるので、薄い布などで包むことをお勧めします。
冷めてから取り出して、たまった水を流して乾燥させます。
メリット
- 材料費がかからなく、家にあるもので簡単にできる。
- 薬品を使わないので安全
デメリット
- 花瓶など、水をしばらく入れて使うものなどでは、カビが発生しやすい。
- 大きな壷などでは作業が難しい。
などが考えられます。
もし食事に使うお皿や、お酒を入れる徳利などでしたら、カビが生えるのは避けなければいけません。
私は以上の事を考慮し、2の方法の食器用止水材を使うことをおすすめします。
②食器用止水材(水漏れ防止剤)を使う方法
私が実際に食器用止水材(水漏れ防止剤)を使って一つの花瓶の水漏れを修理した過程を写真に撮りました。
結論から言うと、作業時間は短いですが、乾燥に時間がかかったため10日ほどかかりました。
作業工程
- 水漏れする花瓶に食器用止水材を入れる
- 5~10分ほど浸透させる
- 食器用止水材をボトルに戻す
- 24時間ほど乾かす(季節で要調整)
この工程を水漏れがなくなるまで繰り返します。
今回は全部で6回同じ工程を繰り返し
やっと水漏れを完全に治すことができました。
工程3に「食器用止水材をボトルに戻す」とありますが、
実はこの食器用止水材は乾かない限り再利用が可能です。
1日目
青磁のぽってりとしたかわいらしい瓶子です。表面には細かな貫入(かんにゅう)が入っています。
釉薬と素地の収縮率の違いで発生する、表面のヒビ模様
貫入(かんにゅう)とは
3日目
これは一度食器用止水材の使用をして、2回目の食器用止水材をいれた直後です。
はっきりと貫入に沿ってじいわじわと水漏れしていることが確認できます。
それにしても1回だけの使用で下に水たまりができないくらいにだいぶ収まっています。
5日目
これは食器用止水材使用の3回目です。
前回と比べるとはっきり、滲み出す水滴の量が減りました。
しかしまだ長時間置いておくとぽたぽたと流れてきています。
7日目
24時間以上乾燥させるので、乾燥の工程に結構時間を取られます。
前回よりも水滴が落ち着いてきました。
この作業自体、2月に行っているので室温が低く、乾きにくいので時間をたっぷりとっています。
厚い時期なら乾燥時間をもう少し短くできるかもしれません。
9日目
ほんのりと水漏れが確認できます。
あともう一息。
11日目
まだほんの少し水漏れが確認できますが、これを乾燥させた後はもう水漏れしなくなっていました。
お疲れさまでした。やっと完成です。これでもう水漏れを気にせず使用することができます。
今回私の使用した食器用止水材はこちらです↓
大きい花瓶や壷などは
まず満タンまで水をそそいで、水漏れをしているところを突き止めましょう。
底だけではなく、意外にも上の方に見えない亀裂がある事があります。
その場合、食器用止水材を満タンまで注ぐのは現実的ではありません。
- 筆で塗布する
- 横に倒してその部分だけに薬剤を注ぐ
など少し工夫が必要ですが対応できます。
食器用止水材を使ってみて
見た目は透明で、さらさらしているので水と区別がつきません。しかしテーブルなどにこぼれして放っておくと、翌日には乾燥して薄い膜のようなものが残ります。
これが陶器の細かな隙間に入って固まることで水漏れを直すものと思われます。
もちろん食べ物を載せるお皿などにも使える、安全なものですが、この液はアルカリ性なので素手で触ると手荒れする可能性があります。
一応手袋を使用することをお勧めします。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
決して難しい作業ではないので、お気に入りの花瓶などで水漏れをすることがあればぜひ使用してみてください。
ほかにも手っ取り早くシリコンを塗るという方法もありますが、塗った跡がどうしても目立つため私は好みません。
しかし内側だけにぬるのなら選択肢としてよいかと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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